YAMAHA BB435

YAMAHAのベース、BBシリーズは歴史が古く1977年より発売されていて、カシオペアの桜井氏の愛用でも知られる、'78年発売のBB-2000が名器としてあまりにも有名。国産らしい緻密でしっかりした作りは、表現力豊かな飾り気のない重厚なサウンドが特徴。残念ながらBB-2000は廃盤となってしまったが、BBシリーズはその後も時代に合わせた後継機種を生み出している。 このBB435はYAMAHA BB400シリーズの5弦モデル。2017年より発売されていて、Pro、700、400、200のレギュラーモデルのうちミドルクラスのコスパの高いモデルと言える。外観は上級のモデルと比較しても遜色ないレベルで、ボディカラーの「ティールブルー(TB)」やアイボリーのピックガードが相まって、さらにオーラを感じるような高級感を醸しだしている。 700シリーズ以下のモデルでは海外生産にてコストダウンを図り、BB435はインドネシアでの生産となる。 5弦ベースは、昔は珍しかったが近年では人気もあり4弦と並んでスタンダードになっている。 BB435は「マイター・ボルティング」と呼ばれるYAMAHA独自のネックジョイントが特徴。上級モデルにも採用されているこの技術は、ネックを固定する6本のネジのうち、ブリッジ側の2本をヘッド側に向けて45度傾けてねじ込むもの。まず通常通りブリッジ側4本のネジでネックを上下方向に密着させる。加えて傾けた2本のネジでネックをブリッジ側に引っ張る方向で密着させる。この接合方法により2方向の力でより強固にネックを固定できるため、ボディーとネックが一体化し振動が伝わりやすくなる。さらに、弦をボディーエンドから45度の角度で裏通しすると、弦のストレスが減少する「ストリング・スルー・ボディ」構造も相まって、より豊かな鳴りとロングサスティンを得ることに成功している。 ボディーはアルダー材、ネックはメイプルとマホガニ材の5ピース構造。重くなりがちな5弦ベースだが、ボディーを従来よりも薄くすることで軽量化し、この個体で4.32kgを実現している。また、それに合わせネック形状も見直し、薄くすることでヘッド落ちも回避し演奏性を向上させている。ナット幅は43mmで初めての5弦でも弾きやすい。スケールは864mmのロングスケール。コントロールは２ボリューム、１トーンの通常タイプで、新開発のアルニコマグネットのパッシブピックアップ搭載で、ノイズの少ないブライトなサウンドを奏でる。定価は75000円で、4弦から5弦ベースへスイッチするには手頃な価格。

YAMAHA独自の「マイター･ボルティング」によるネックジョイント。ネックエンド側のボルトを45度で固定。

ネックはメイプルとマホガニの5ピース。 ヘッド落ちしやすい5弦ベースのために設計された軽量化ペグを搭載する。

鳴りを重視するために弦を裏通しするが、45度の角度をつけることで弦のストレスを軽減。ギターのような直角の裏通しでは弦の太いベースは「A」の部分が特に5弦側で湾曲しやすく、音程の安定やサスティンに影響したりサドルなどに負担が掛かりやすい。通常通りブリッジから直通しすることも出来る2wayタイプ。

電気系パーツは安価な物を使用。導電塗料塗布によりノイズ対策されている。ピックアップはアルニコマグネットを新採用。

'20.12.5掲載