●動作確認と完成 １．結線した回路に間違いがないか、再度確認します。 使用配線以外に電流が流れる事がないか、テスターの導通モードを使ってチェックしていきます。 機械の点検端子「V」と新設した回路が絶縁されていること、機械ボディーと新設した回路の導通がないことなどを中心に各部をチェックします。事故に繋がる恐れがあるので、複数回、入念に確認します。 ２．次に動作確認です。 プラグコードをコンセントに差し込み異常がないことを確認後、メインスイッチをONにします。点灯管が一瞬点灯した後、蛍光灯が点灯することを確認します。 メインスイッチがONの状態で、巻取りスイッチを操作してみます。スイッチを上側に倒すとモーターが回り、幕が上方向に巻かれていくことを確認します。 スイッチから手を離したら止まることを確認します。 スイッチを下側に倒すと、幕が下方向に巻かれることを確認します。 同様に、スイッチから手を離したら止まることを確認します。 メインスイッチをOFFにし、蛍光灯が消灯することを確認します。 メインスイッチがOFFの状態で、巻取りスイッチを操作してみます。上下どちらの方向に操作しても、幕が動かないことを確認します。 コンセントからプラグコードを抜き取り、確認作業は終了です。 ３．これですべての結線作業と動作確認が終わりました。全体の配線をきれいにまとめ、結束バンドで束ねて完成です。 写真下：�@メインスイッチON　�A点灯管が点灯　�B蛍光灯が点灯　�C巻取りスイッチON　�D結束バンドで束ねる 　�E作業で解いた配線もきれいにまとめる　�F電動化の完成

●遊んでみる 　表示器の電動化に成功したので、さっそく幕を回して遊んでみました。 蛍光灯が点灯している様は、実車さながらの雰囲気があり、ロール状の幕をただ広げて眺めているのとは、格別の感動があります。特にスイッチを入れて蛍光灯が点灯する瞬間は感動ものです。 次に幕を動かしてみます。以前製作した「幕回しハンドル」があれば別ですが、手動で幕を回すのは結構大変でした。方向幕は40コマ以上あるので、初めから終わりまで巻くのは時間と気力が要ります。しかし、電動化によりスイッチ一つでとても楽になり、いろいろな表示を見てみようという気になり、とても楽しくなります。当たり前ですが、幕の動く速度はまさしく実車そのものです。 　今回の改造では、スイッチを操作している時だけ動作するので、回転中はずっとスイッチを押さえていなければなりません。幕の位置を制御しているわけでもないので、幕表示を枠の真ん中に合わせるのは、ちょっとしたスイッチ操作のコツが要ります。 理想をいうならば、指令器を製作して実車同様に動作できればと思いますが、かなり難易度が高く不可能に近いので、シロウトの改造では、この辺がいいところではないかと思います。ひとまず個人的には満足しているところです。 　改造に当たっては、これまでに4台の巻き取り器を電動化しましたが、年式によって配線の通し方や束ね方が少し違っていました。配線の番号は共通でしたので簡単に探し当てることが出来ました。また、方向幕、種別幕や山側、海側での機械の外観や仕様の違いは、今回の作業では特に見受けられませんでしたので、恐らく側面表示器はすべて共通の機械を使用していると思われます。幕は共通でしたが、入手時の箱には山側、海側等のラベル表示がありましたので、見えない部分では何か違いがあるのかも知れません。 　今後の製作案としては、ステンレス板で車両イメージの「窓枠パネル」を製作してみたいと思っています。また、スイッチパネルを延長して、遠隔操作というのも良いかもしれませんね。 写真下：�@メインスイッチONで蛍光灯が点灯　�A幕を回してみる　�B可動中のチェーンは指切断などとても危険 　　　　　�C幕のセンターラインが真ん中に来るように動きを止める　�D元の状態を極力変えずに完成

●余談：蛍光灯については国の政策により2027年で製造中止となります。この幕式表示器には10Wの蛍光灯が取り付けてあります。使用頻度から暫くは持ちそうですが、1本くらいは予備を持っていたいものです。 　店頭を訪ねたところ、少しずつ価格が上昇しているようです。また、幕式表示器に使用されている蛍光灯は「白色」ですが、店頭では「昼白色」や「昼光色」ばかりで、なかなか「白色」を見かけません。幕の保護のためLEDに交換する方も多いようですが、やはり幕を照らすレトロで温かい光は蛍光灯の「白色」によるものです。 店頭で見かけた場合は早めに入手しておきましょう。

少しですが。新宿→高尾山口

2024.８.８掲載