［京王〜種別幕・方向幕 特集］

■京王6000系　側面幕式表示器の改造

このコーナーでは、表示器の蛍光灯の点灯と幕の電動化の改造を紹介します。結果的には、幕の電動化は作動電圧の違いから、私の技量では不可と判断し蛍光灯のみの改造を行いました。 　また、パネル製作と同様に、作業過程の写真があまり残っていません。文字での説明が多くなり、分かりにくいと思いますが、イメージして頂ければと思います。

●幕式表示器の改造 １．まずは巻取り機械の電気的仕様を確認します。 車両側から供給される電気は、電圧200Vです。コネクターから送られてきた電気は、機械に搭載されている変圧器で100Vに降圧されます。機械全部が100Vで作動するということではなく、部分的に変圧しているようです。

写真上左：電圧を200Vから100Vへ降圧。 写真上右：蛍光灯用の安定器。AC100Vで作動。周波数は60Hzと表記されている。蛍光灯は10W。

写真上：電気回路　表(上)、裏(下)。トランスやコンデンサー、変圧器などが所狭しと配置されている。幕制御のスイッチ式センサーも確認できる。

２．主要部分を確認したところ、蛍光灯は、電圧100Vだが周波数が60Hzなので、関東の50Hzではうまく作動しません。 巻き取り用のモーターは、200Vで動くモーターで、家庭用電源では作動しないことが分かったので、今回、電動化は断念します。その他、幕の制御は「電圧比較式」で、指令器とそれぞれ複数の信号で作動するようです。 ３．変圧器で200Vへ昇圧ということも出来ますが、200Vを扱うのは少々躊躇してしまいます。そこで、蛍光灯だけでも点灯させたいということで、別回路を製作することにしました。 関東で作動する安定器、点灯管、ヒューズボックスやスイッチを準備します。

巻き取り用モーターは200V仕様

４．出来るだけ、元の外観を損ねないように線を這わせていきます。蛍光灯のソケットも既存のものを使用します。ラベルを貼りながら間違えないように配線していきます。

５．点灯管ソケットや安定器などを配線します。 スイッチやヒューズボックスもハンダ付けします。 ６．新設した安定器などは、収納ボックスを製作して、巻取り機本体に取り付けることにします。

新設の点灯管ソケットと安定器

７．新設部品の収納ボックスを板金で製作。曲げて箱状にしスイッチなどの部品を取り付けます。

各部はんだ付け

スイッチ部分の完成

８．スイッチやヒューズを介して電源コードプラグを取り付け、写真左のような、安定器などを納めた収納ボックスが完成しました。 ９．機械本体側の蛍光灯につながる線をボックスと結線します。 １０．機械本体には、写真右のように磁石を使ってボックスを取り付けます。

１１．外観を損ねず、センス良く製作することが出来ました。収納ボックスも機械の表面に幅を合わせることで、パネルの固定に一役買っています。蛍光灯が点灯すると一気に雰囲気が変わります。

2024.4.20掲載