TAMA　MASTERCRAFT ARTSTAR　AS656

1983年に新たなマテリアルとして「コルディア」がラインナップに加わり、ARTSTARシリーズとして登場した。6.5インチのAS656はスネアのマスタークラフトシリーズのARTSTARとして、5インチのAS655、8インチの AS658とともに３サイズで登場。TAMA伝統の厳選バーチ材に、南米産のコルディア材を外側と内側に貼り合わせ6mmの薄さで仕上げている。薄く硬く鳴りを重視した初代モデルでTAMAの転機となり、後のスタークラシック誕生のきっかけとなった。発売当時は「SONOR」がこの木目イメージで高級感を前面に出していたが、国内メーカーでは木目を生かしたシェルよりも、カラー塗装の方が人気があったため、思いのほか、ウケなかったように思う。シェル表面はバフがけされ光沢とともに木目がとても美しい。内面はつや消しの木目になっている。

このシリーズは新しいデザインのバッジを使用

写真上：質量は約4.9kg。バーチ材のアートウッドに比べると、若干重い。 サウンドは、コルディアの硬質な特長が生かされたシャープな印象。当時のウッド製TA MA独特の丸く温かいサウンドとは異なり、輪郭がはっきりしたやや硬質な感じ。高音から低音までバランスが良く、割とレンジも広い。 ラグは'82年6.5インチ以上用として登場した、当時人気だった「6373」を装着。

写真右上：当時流行だった全面あたりのスナッピー。TAMA独自のローラーアクション。ダイキャストフープを装着。 写真左上：シェル表面はラッカー塗装後バフがけされ、とても美しい。内面はつや消し。 写真左：約6mmに仕上げられたシェルは、バーチ材5プライにコルディア材を両側から貼付けた計７プライ。もちろんイスカジョイントによる成形。 当時のウッド製ラインナップでは最高グレードに位置づけられ、価格も高価だった(6.5インチで75000円)。近年、中古市場で価格高騰。10万以上の値が付くことも。