TAMA MASTERCRAFT METAL　80-56　IMPERIALSTAR

1980年にTAMAは大幅なモデルチェンジを行った。商品へのネーミング展開をはじめ、新開発のローラーアクション、新型ワンタッチトーンコントロールなどの採用により格段に商品としての魅力が増した。 シェルはTAMA伝統のシームレスで、400トンの大型プレス機で特殊鋼板を打ち抜き、８工程かけて製造される。2mmのスナッピー床に、エッジは2mmのアールがつけられ、45度のフランジ角にすることで剛性を増している。 真円度の高いシェルは、メタルながらTAMAらしい温かいサウンドを奏でるが、ロックの大音量でも埋もれない存在感がある。 ちなみに、この個体はヘッド含め当時のままのオリジナルを保っている。

バッジは「インペリアルスター」の称号が付く。当時はプロが使う上級グレードだった。

2mmのスチール製で約5.7kg。 サイズは１４×6.5インチ。 ダイキャストフープはマスタークラフトのシンボル。 1981年当時の価格は31000円。

写真上左：ミュートOFFの状態でノブがシェルに近い 写真上右：ミュートONの状態でノブがシェルより少し離れている。先端の微調整ハンドルでミュート量を設定。ノブを回すことで設定したミュート量のままON-OFF出来る。

70年代からのパーツも多用しているが、とても完成度の高い、まじめに作られたメタルスネア。

写真左：1979年までの従来型も基本的な動作構造は同じ。 写真右：新型「6552」はノブとハンドルを大型化し剛性と操作性を向上。 3点留めのネジ穴は、位置、サイズが共通なので、どちらも付け替えが可能。

写真上：TAMA独自のローラーアクション。KING BEATのパラレルアクションに代わる新機構。フィラメントテープがローラーの上を転がる事によりパラレルアクション的な動きをする。ローラーの上下動は、ほんの2〜3mm程度。スイッチをON -OFFした瞬間にローラーに与えられたバネの反力によって、スナッピーが上下平行に動作する。ローラーの動作域を超えると通常のスイッチ側だけの動きとなる。柔らかい布テープやひもよりも、当時の標準だったフィラメントテープで最大の効果を発揮する。