TAMA MASTERCRAFT METAL　80-56　IMPERIALSTAR

1980年代からTAMAは精力的に商品開発を行い、ますます魅力がアップしていった。 TAMAのメタルスネアは、シェル自体は70年代からの仕様を踏襲するが、アクセサリーは一新している。1980年より新型のスナッピースイッチ「6302」とローラーアクションの採用で全面あたりへ、さらに82年からは、ラグを「6371」から「6373」へ変更し華麗さが増している。 当時TAMAのメタルシェル加工技術は進んでおり、1976年から継ぎ目のないシームレスシェルを製造。以降90年代初頭まで、同金型のシェルが使われることとなる。厚めのシェルでずっしり重く、内面塗装も相まってメタルながらキンキンしないTAMAらしいサウンドが特長。

写真左：シェルの厚さはメッキと塗装含め約1.25mm。均一で真円度の高いシームレス。シェル内側はエッジの裏側まで丁寧にシルバー塗装が施されていて、クロームメッキの電極焼けは一切見えない。 写真右：エッジ端は、若干厚め。ベアリングエッジの形状は、2 R-45°

写真左：シェルには、4本1組のプレスラインが2本入る。デザインだけでなく強度としなやかさに一役買っている。1976年式モデルより同型のプレスを使用。ある意味、当時からシェルとしての完成度が高かったためロングセラーとなった。「6373」ラグはゴージャスに見える。90年代初頭まで、ゴテゴテとゴツイ流行が続く。

写真上：約5.7kg。80年式の80-56に比べ、ラグが大型の「6373」に変更された分、少し重い。 写真右：テンション調整ネジやリンク部が、外からは見えない構造の当時としては画期的な、セミパラレルアクションのスネアスイッチ。この後80年代後半にかけて小改良を重ねる。フィラメントテープのスナッピーベルト「SPT20」は1995年頃まで標準採用。以降、布製「MST22」に変わっていく。 14×6.5インチ。 当時定価41000円。

スナッピーは標準の「6035」を装着。