TAMA　SWINGSTAR　SS155

2000年代半ばまでになると、'80年代の名器の面影はなく「スーパースター」でさえ下位のモデルに位置づけられる。スイングスターは徹底的にコストダウンされ台湾での生産となる。 「SS155」はSWINGSTARのドラムセットに付属するスネアで単体販売の設定はない。セットのタム類はフィリピンマホガニ材が使われているようだが、スネアに関しては木肌を見ると、アスペンなどのポプラ系の材が使われているようだ。金属パーツを外しシェル単体にすると異様に軽い。単板を縦横交互に５枚重ねた5プライシェルであるが、 TAMA伝統のイスカジョイントではなく、真っ直ぐに貼り合わせた物になる。またカバリングもTAMAのこだわりであった全面接着ではなく、端だけを接着しているお粗末な物。経年変化でカバリングにシワが出来てしまっている。さらにシェルの内面処理も、ゾラコート塗装等はなく無塗装のまま。80年代の製品がいかに良く出来ていたかが分かる。しかし価格面から見てみると、1980年当時 105000円だったセット価格が、25年後にもかかわらず同様のセットが82950円と低価格で販売。国内老舗ブランドのドラムセットが安く入手でき、初心者には嬉しい設定と言える。ちなみにスネア単体の価格表記はない。

'90年代からは様々な形状のバッジが登場し、伝統のTバッジは徐々に姿を消す。

エッジトップはやや外側寄り。音量は普通でアタック感と余韻があるサウンド。

・写真�@：ポプラ系のシェル。くさび効果のあるイスカジョイントでなく、垂直に貼り合わせてある。 ・写真�A：カバリングが全面接着ではないため、紙を通してみるとほぼ一周してしまう。 ・写真�B：'80年代の製品は、全面接着でカバリングの合わせ面に段差が出来ないようにシェルを削っている。細かい所にまでこだわった作り込みがされていた。

とても軽いスネア。サイズは14×5.5インチ。カラーはミッドナイトブルー。ラグ(MSL10S)の数は 8個。ストレーナー、バットはMU S15AとMUS15Bの組合わせ。

'22.9.17掲載