［京王〜種別幕・方向幕 特集］

■京王5000系（KEIO LINER）　側面LED式表示器の製作

先に自作した「京王9000系 側面LED式表示器」に続き、第2弾は「5000系KEIO LINER」の製作に挑戦してみようと思います。 分かりづらいソフトも扱えるようになり、分割表示や流れる文字案内をプログラミングしてみます。5000系の表示器は１／１では大きいので、少し縮小した３／４スケールで製作したいと思います。 画素数が多いので、データ作成は大変そうですが、挑戦してみようと思います。LEDパネルの研究や製作詳細等の共通部分は9000系のページを合わせてご覧下さい。 　　　　　　　 写真右：5000系 LED表示器 3/4スケール完成品

★第1弾「京王9000系 側面LED表示器の製作」はこちら

●表示データの作成 　前回製作した9000系の経験から、LEDの設定については、おおよそ予測が立つので、今回はデータ作成のための資料集めから始めていきます。同様に平行してデータ作成も行っていきます。 １．京王5000系 資料集め 　5000系は本数が少ないので出会う確率が低い上、ライナーや特急はともかく、様々な表示を集めるのには苦労しました。また、表示には流れ文字も含まれるため、動画撮影も行いました。写真コレクションではないので、撮影はドットの並びが分かればいいという感じです。

写真上：実車の写真を撮影

２．京王5000系 データ作成 　集めた資料を基に、表示のデータを作成します。9000系の時と同じくWindowsの「ペイント」を使います。今回はLED点灯範囲の制御も出来るようになったので、実車と同じく144×48ピクセルでデータを作成します。流れる文字や一部交互表示の分割表示なども設定し、実車と同様の表示をめざします。

写真左： 写真を元に作成したデータの例

●LED表示器の設計と製作 　前回製作した9000系と同様に、LEDパネルをユニット化し車両パネルから脱着出来るようにします。5000系車両は表示部に窓枠がないため、ガラスをパネルの内側に取り付けるので若干の設計変更が必要です。サイズは実物大では大きくなるので、3/4スケールで設計します。

１．LEDユニットの製作 　今回は64×64ピクセルのパネルを3連で使用します。パネル全体は192×64となります。3/4スケールになるように、LEDパネルは9000系で使用したP4からP 3へ変更します。P3はLEDが3mm間隔で並べられています。パネルサイズは576×192mmと3/4スケールとはいえ結構大きいです。ピクセル数も多く、電源も出力の大きいものが必要と思われるので、とりあえずパネル内には設置せず外部電源としました。

写真上：LEDパネルユニット(裏側)

２．車両パネルの製作 　5000系は表示窓の枠がないので、部品点数も少なく比較的簡単です。LEDパネルが大きいので車両パネルも多少大きくなってしまいますが、飾った時に格好良く見えるようにサイズを決め、縦250mm横650mmとしました。 　LEDユニットの位置に合わせて窓の位置を決めます。窓の大きさは実車より採寸し、3/4サイズに縮小しつつLEDパネルとのサイズバランスを考慮しながら寸法を決めていきます。

写真上：�@車両パネルのラフスケッチ　�A切り出したステンレス部品

写真上：�Bメインパネル　�Cカラー粘着シート　�Dたっぷり水を掛け位置を合わせる　�Eゴムべらで圧着 5000系は窓の上側が「京王レッド」になっているので、パネルに近似色のカラー粘着シートを貼っていきます。 埃が入らないように、中性洗剤を数滴入れた水を霧吹きでたっぷりと掛けながら裏紙を剥がし、滑らせるようにパネルに乗せていきます。 窓側のツートン部分は実車より採寸した位置を参考にシートの端を合わせます。パネル外側はやや大きめにに切っておきます。位置が合ったら、シートに傷が付かないようにゴムべらなどを使い、中の水を内側から外側へ気泡が残らないように追い出しながら圧着していきます。 完全に貼り付いたら、そのまま乾燥するまで2〜3日乾燥させます。乾燥したらカッターで、はみ出た部分や窓の部分を切っていきます。きれいに仕上げるコツは、焦らず時間を掛けて充分乾燥させてからカットすることです。 その後、アッパーフレーム、ロアーフレームを取付け、ウインドーは枠がないので裏から両面テープで貼り付けます。裏側に於いても両面テープが見えてダサくならないように、ウインドーの周りをブラックアウト処理しました。 　　写真下：�F余分な部分をラフに切る　�Gパネルに合わせきれいにカット　�Hアクリル板の貼付 　　　　　　　　�I両面テープ（上：フレーム用-3M VHB構造接合用、下：ウインドー用-TERAOKA強粘着P-カット）

完成の前に、車両パネル表面には、「KEIO LINER」と「KEIO」のロゴマークを製作し、飾りとして貼付しました。より京王5000系の雰囲気を醸し出しています。 写真左：�J京王ライナーとKEIOのロゴマーク 　　　　　 �K車両パネルの完成

●表示データの動作確認 　作成したデータをLEDユニットへロードし、表示の確認を行います。今回は、形状や色のほか、表示範囲設定が正しいか、流れる文字の表示や流れる速度、文字の変更タイミングが適切かなど、動きの部分も含めてチェックしていきます。他の形式に比べ、特急の赤色が濃いところも再現しています。

写真上：�@文字交互表示の確認　�A流れる文字の確認

●「京王5000系側面式LED表示器」の完成 　表示パターンのプログラミングを行い、LEDユニットへロードさせます。 LEDユニットを車両パネルへ装着し、ネジで固定すれば完成です。 電源をつないでスイッチをONにします。若干ノイズが出るので、外部電源の出力電圧を微調整します。 いかかでしょうか？写真では色やドットなどが、うまく撮影表現できていませんが、実物はとてもいい感じに仕上がっています。 3/4サイズですが、とても迫力がありリアリティー抜群です。 表示データは70個くらい作成しましたが、まだまだ未知の表示がありそうです。表示データやプログラムはいつでも追加更新できるので、これからも少しずつ楽しみながらプログラムを更新していきます。

写真上：完成したLED表示器の表示例

LED式表示器の製作は、電気およびLEDマトリクスの基礎知識がないと表示させることは出来ません。製作する場合は製作者の自己責任とし、当方では一切関知いたしません。

2025.2.8掲載